私のこだわり人物伝 談志が語る手塚治虫
NHK教育テレビで『知るを楽しむ 私のこだわり人物伝』という番組があり、落語家の立川談志が手塚治虫について語る内容で、4週に渡って放送していた。
手塚が残した漫画やアニメの作品を紹介しつつ、以前NHKで放送されたであろう手塚に関する特番の映像も流し、そして談志が独特の語り口でしゃべっていく。既に大御所の感がある談志だが、手塚のことを「手塚先生」と呼んでいた(談志は手塚より8歳年下だった)。談志は漫画は手塚の作品しか読まないそうで、つまりは熱烈なファン。生前の手塚との交流もあったそうで、そうしたエピソードも交えながら、最初のうちは淡々と、しかしいつのまにか落語の口調になっていく。
番組では手塚のことを「天才」と称していたが(談志も言っていた)、ワタシの見方は少し違う。石森章太郎(石ノ森章太郎)の才能に嫉妬し、虫プロ経営に失敗し、世に受け入れられず苦悩する時期もあり、これらはとても人間臭い。とはいえ、数多くの名作を生み出し、湯水の如くに湧き出るアイディアは凡人とは桁違いであることは明らかで、つまりは天才というより「怪物」だったのだと思う。こんにち日本のマンガが質量共に膨大で、恐らくは世界一と言っても過言ではない状況にあるのは、この国に手塚治虫がいたからだ。
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