スモール・フェイセス（Small Faces）『Nice』

衝動買いはしない方なのだが、少し前に中古CDショップで探し物をしているときに、ふと手にしたCDを買ってしまった。

そのCDはタイトルが『Nice』となっていて、アーティストはスモール・フェイセス。2000年にリリースされたコンピレーションもので、内容は66年から68年までのドイツのテレビ番組に出演したときのライヴを収録したものだ。がしかし、聴いてみてあせった。全10曲で、合計でたったの30数分程度しかない。最大で80分近く収録できるCDに、しかもコンピもので30数分とは何事か。こりゃいっぱい食わされたかな、というよりなんでこんなCD買っちゃったんだろう、などなど、さまざまな思いが頭の中をかけめぐった。

実はこのCDは2枚組になっていて、上に書いたのは1枚目のこと。では2枚目はというと、これがエンハンスト仕様になっていて、パソコン上で1枚目と全く同じ曲のライヴ映像を楽しめる。で、早速観てみた。画面が小さいのが少し残念ではあるが、モノクロでスモール・フェイセスのライヴシーンを堪能できる。テレビ番組でのライヴということで、客がゆるーく踊っているそばで演奏していたりしていて、なんだか時代を感じさせる。

ふと気付いたのだが、ワタシが「動く」スティーヴ・マリオットを観たのは、これが初めてだった。そう考えると、一時はいっぱい食わされたとまで思ったこのCDも、かなり貴重な作品に思えてくる。