横山光輝さん死去
漫画家の横山光輝さんが15日に亡くなった。69歳だった。
横山さんと言えば、真っ先に浮かぶ代表作は『鉄人28号』だ。手塚治虫の『鉄腕アトム』に次ぐ、国産アニメ第2号としてテレビ放送され、その後もたびたびリメイクされている。他にも『伊賀の影丸』『仮面の忍者赤影』といった忍者ものや、超大作三国志などがある。
漫画賞の選考委員を務めるなどして、若手漫画家の発掘にも尽力した人だ。海外での評価も高い『AKIRA』は、横山さんに敬意を払ったものだと、原作者の大友克洋は語っている。主人公の金田という名前、及びアキラのコードナンバー「28」は、共に『鉄人28号』から引用されたのだそうだ。
個人的には、超能力もの『バビル二世』と、『マーズ』という作品が印象に残っている。前者は伝説のバベルの塔をモチーフにし、主人公の少年バビル二世と超能力者ヨミとの戦いを描いたもの。超能力を駆使すると急激に老化するという現象が起こったり、バビル二世のしもべをヨミが操ってしまうという、善悪や敵味方といった図式にとらわれない描き方が新鮮だった。
片や『マーズ』だが、コチラは地球人が自然を壊したり他の動物を殺したりという、残忍な種族になったときに、地球を破壊するという命を負った宇宙人と地球人とのお話。漫画というよりも現実の生活の中に問題を投げかけるようなシリアスな内容であり、そしてラストは衝撃的だった。
死が再評価のきっかけになるのは複雑な気もするが、これを機会に横山さんの作品が今一度多くの方に読まれればいいなとも思う(ワタシも、学生時代に手塚治虫が亡くなったときはそれをしたし)。謹んでご冥福をお祈りします。
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