*

Radiohead(レディオヘッド)(2)

Radiohead『Kid A』

2000年秋にリリースされた『Kid A』は、まさに衝撃だった。ギターバンドというフォーマットから脱却し、電子音楽をベースにしアンビエントな佇まいで異世界を表現したようなサウンドには、ほんとうに驚かされた。それまでが好きで好きで仕方がなかったファンは戸惑っただろうし、もしかしたらこの作品を最後にレディヘから離れてしまった人もいるかもしれない。しかし個人的にはハマりにハマり、若きUKバンドから完全に一歩抜け出てしまった。

翌2001年には、姉妹作とも言える『Amnesiac』がリリース。音楽的には『Kid A』ほどのインパクトはなく、幾分ワタシたちのところにまで歩み寄ってくれたような温かさを感じる。『Kid A』がシングルカットなし、PVなしだったのに対し、『Amnesiac』はそのどちらもやっている。

実は、『Kid A』の前年にはが『Fragile』という2枚組の大作をリリースしていた。やはり異世界を思わせる壮大なスケールを備えた作品だったが、少し長すぎで途中だふついていたという不満もワタシは持っていた。レディヘの2作品は、まあ好みの問題にもなるが、作品の質で『Fragile』をしのいでいたし、かつ世紀をまたぐ形で別個の作品としてリリースするというやり方もうまいと思った。この2作品のあり方は、の『Low』『Heroes』にも酷似している。

ラディカルでヒットとは無縁と思われた作品であったにもかかわらず、『Kid A』は全米チャート1位を獲得してしまった。これは90年代にリリースされたUKアーティストの作品では、の『The Fat Of The Land』しか成しえていないことで、レコード会社の販売戦略とか、アメリカ人のCD購買層の嗜好とか、そういったところを超えたところに到達したからこそできたのだろう。

関連記事

Radiohead(レディオヘッド)(1)

4月になったとたん、夏フェスの情報が立て続けになだれ込んできたこともあって、不覚にも印象が薄

記事を読む

レディオヘッド(Radiohead)、コーチェラに出演

毎年4月にアメリカ西海岸で行われる野外フェス、コーチェラ。そのラインナップが一挙に発表された

記事を読む

レディオヘッド(Radiohead)、トロント公演前にステージが倒壊、1人が死亡

ボナルーフェスのヘッドライナーをこなし、北米ツアー中だったレディオヘッド。その最終公演となる

記事を読む

フリーマガジン表紙

レディオヘッド(Radiohead)のフリーマガジンを入手

ベストアルバムとDVDリリースに伴い、2万部限定で全国CDシ

記事を読む

「ロック」ということば

レディオヘッドの最近の2作はロックなの?という声があって、それについての自分の考えを整理する

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑