ミッシェル・ガン・エレファント@フジロック’98
去る2日、WOWOWでミッシェル・ガン・エレファントのライヴ映像が90分に渡って放送された。2本のライヴで、'98と今年のフジロック出演時のものだ。
まず'98だが、このときの会場は東京・豊洲のベイサイドスクエア。ミッシェルは2日目グリーンステージの2バンド目として登場。この日はとても暑く、そしてライヴの方も波乱含みになった。1曲目の『Cisco』でオーディエンスが暴れに暴れ、バンドは演奏を中断。主催者側から安全を確認する呼びかけがあり、少し間を置いて演奏再開。お次は当時リリース前だった『G.W.D.』だったが、ここでまたも前方のオーディエンスが危険な状態になり、曲の途中で中断。再度主催者から呼びかけが成されるが、チバユウスケがヤケクソ気味にスタンドをなぎ倒し、「楽しくやろうぜ」「倒れてる奴がいたら起こしてやろうぜ」と、自らも呼びかけをしていた。
ワタシもこの場にいたのだが、当時ミッシェルをほとんど知らなかったということもあって前方には行かず、中段の辺りにレジャーシートを敷いていて、その場に立ってオペラグラス越しにステージを見ていた。この前の年に、天神山でほとんどのアーティストのライヴで1曲目終了後に中断騒ぎになるという状況を体験済みだったワタシは、このときのことをあまり「危ない」とは感じず、むしろ痛快なくらいにに思っていた。だけどこうして5年が経って映像を見てみると、前の方はかなりやばい状態だったことがわかり、大けがする人がいなくてよかったなと思う。
このときのことは、日高社長が書いた本『やるか』にも少し触れられている。ミッシェルのメンバーとマネージャーは、この後に出演したkornのライヴをバックステージでモニター越しに見ていたそうだ。KoRnのライヴもケガ人が出ておかしくない雰囲気だったが、バンドのセキュリティーが自分たちが責任を持つからと主催者に伝え、そして実際、中断も混乱もなくライヴは終了した。日高社長はミッシェルに対し「こうならなきゃだめなんじゃない?」と言い、マネージャーは「悔しいです」と返したそうだ。この翌年から、彼らはアリーナクラスでのライヴにもオールスタンディングを導入する。今では当たり前になったが、ミッシェルは国内バンドの先駆者になった。それはバンドやスタッフに、自分たちのファンを育てていこう、そして自分たちも成長しよう、というスタンスがあったからだと思う。
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