ゴミゼロ大作戦
陽はまた昇る。解散しその生命を終えるバンドもあれば、眠りから醒めて再び戻ってきてくれたアーティストもいる。coccoは、2001年4月を以って音楽活動を停止。同年秋にはベスト盤やDVDがリリースされ、翌2002年秋には彼女が描いた絵本『南の島の星の砂』が出版された。
そして先月16日、Coccoが沖縄で「ゴミゼロ大作戦」なるイベントに出演し、地元の中高生と一緒に未発表曲を歌ったというニュースが流れた。雑誌「H」でも6ページに渡る記事があったのだが、昨夜放送されたTBS「News23」で、そのイベントの様子と彼女の近況がほぼ明らかになった。自分が住んでいた沖縄が、海が、ゴミで汚されてしまっていて、それをなんとかしたいというのが、今回のイベントを興すきっかけだったようだ。当日は100人を超えるボランティアスタッフによってイベントは進められ、彼女はギターを弾きながら『Heaven's Hell』を歌った。
ワタシがびっくりしたのは、彼女が今回のイベントを行うために発揮したリーダーシップだ。彼女は沖縄の高校約80校を全て回ってよびかけをし、那覇高校の吹奏楽部や、コーラスに参加した中高生と一緒に練習を重ねて本番に臨んだ。地元とはいえ、中高生たちにとっても彼女はプロのアーティストであり、違う世界に住む人だったはず。その間にある「壁」を突き崩すことから彼女は始めたと思うし、練習の回を重ねるにつれて、彼女の意思や人となりは、中高生たちに伝わっていったに違いない。
今回のイベントは、作品をリリースしてツアーをする、というような形ではないし、また今後も彼女はそうした形は選ばないかもしれない。だけど、こうしてニュースが伝わってきて、彼女の歌が聴けて、彼女の元気な姿が確認できて、ほっとしたというか、なんだか安心した。
(追記)
「ゴミゼロ大作戦」は、2003年12月にDVDとしてリリースされた。
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