深作欣二さん死去
映画監督の深作欣ニさんが、前立腺がんで亡くなられた。72歳だった。映画『バトル・ロワイヤル2』の制作発表記者会見のときにガンに冒されていることを自ら明かし、そして暮れの撮影開始直後に入院し他界。『バトル・ロワイヤル2』は、長男が監督代行を務める形で撮影を続行している。
ワタシは、深作欣ニさんが監督した作品は文芸よりのものばかりだと思い込んでいたのだが、実際はエンターテイメントものがかなり多いということに気付かされた。特に後年は、角川映画の作品が目立つ。角川映画は、角川春樹の逮捕以来あまりいいイメージがないのだが、個人的には中学から大学までの間にかなりの作品を観たので(ほとんどがテレビでだけど)、思い出深い作品が多い。その中だと『復活の日』、『魔界転生』、『蒲田行進曲』、『里見八犬伝』辺りが深作監督の作品だった。『人間の証明』では、警部補役で出演もしていたそうだ。角川映画は、映画を限られた人だけが観る高尚なものとしてではなく、より多くの人に楽しんでもらうことを目指していたと思うし、深作監督はその意向に乗ったのだと思う。
角川映画以外で印象深い作品といえば、やはり『仁義なき戦い』シリーズになる。主演の菅原文太をはじめ、梅宮辰夫、松方弘樹、小林旭、千葉真一、北大路欣也など、蒼々たる豪華俳優陣が一同に揃っているというだけで胸躍るものがあるし、そしてあの耳に焼きつくテーマ曲。ハリウッド映画はストーリーが継続する続編をたくさん作っているが、日本映画もそうするべきだとワタシは思っていて、『仁義なき戦い』はその先駆者的存在だとも言える。ワタシが劇場まで観に行った深作作品は、『華の乱』。吉永小百合に緒形拳、松田優作、松坂慶子と、こちらも豪華な顔ぶれだった。
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