プロデューサー
ワタシが洋楽にハマるきっかけになったのは、レッド・ツェッペリンとプリンスだ。プリンスは自分の作品を自分でプロデュースすることを条件にワーナーと契約してデビューしたし、レッド・ツェッペリンはギタリストでありリーダーのジミー・ペイジが、全ての作品をプロデュースしている。なので、日本人アーティストは他の人に用意してもらった曲を歌う場合がほとんどだが、洋楽アーティストは自分で曲を書いて自分でアルバムを手がけて活動しているのがほとんど、そう思い込んでいた時期があった。
ところが、実は洋楽アーティストといえども自分でプロデュースも兼ねているのはまれで、むしろほとんどのアーティストは、プロデューサーというパートナーを必要としている。これはキャリアのあるなしにかかわらずで、むしろキャリアのあるアーティストの方が、自分に定着したパブリックイメージを打破すべく、やり手のプロデューサーを起用するケースがあるように思える。ディランやストーンズなどが、その代表格だろう。
若いアーティストの場合は、名のあるプロデューサーに手がけてもらうことが宣伝文句のひとつになるが、時としてそのプロデューサーの色に思いっきり染められてしまう場合もあるようだ。また、レコード会社との契約の関係上、プロデューサーを押し付けられている場合もある様子。エアロスミスやオアシスの場合はそうだったようで、それが最新作『Just Push Play』及び『Heathen Chemistry』は、共にキャリア初のセルフプロデュース作品となっている。特にエアロはデビュー作から28年を経てのことで、自分たちだけで満足の行く作品が生み出せたという、充実感もひとしおだったようだ。
素晴らしい作品が生み出されるのであれば、アーティストと共同作業を行うプロデューサーの存在を否定はしない。ただ個人的には、何もかも自分でやってしまうアーティストの方が、魅力的だと感じている。オアシスでは、今までシンガーにのみ留まっていたリアムが、大器晩成型なのか徐々に曲作りの方にもその資質を開花させつつある。そうして出来上がった新作を引っさげての、今月末の来日公演が楽しみだ。
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