ナンバーガールとテレヴィジョン
今はもうやめてしまったみたいだけど、かつて向井秀徳は、ナンバーガールのライヴの始めにテレヴィジョンの『Marquee Moon』を流していたそうだ。ニュールーディーズクラブVol.26によると、向井はテレヴィジョンのファンであることを公言していて(中尾憲太郎はクラッシュやラモーンズのファンだそうだ)、とりわけこの曲に関する思い入れは並々ならぬものがあるらしい。自分のベストフェイバリットの曲でライヴを始められるのは、気持ちがいいと語っていた。そりゃそうだよな。
これまであまり意識はしなかったけど、確かに向井と田渕ひさ子の乾いた音色のツインギターは、テレヴィジョンのトム・ヴァーレインとリチャード・ロイドのツインギターを彷彿とさせるところがある。しかし、向井はテレヴィジョンの影響を受けつつも、それをただそのまままねたのではなく、自分たちが真にやりたい音楽としてオリジナリティを追求し、確立したのだと思う。テレヴィジョンは2本のギターの絡み合いとトム・ヴァーレインのよれよれしたようなヴォーカルが魅力だが、ナンバーガールの場合はいちおうは向井が中心となりつつも、4人が4人ともおのおのの力量を発揮してぶつけあっている。
今年のフジロックには、テレヴィジョンが出演することが発表されている。会場がレッドマーキーなのは最初あれっと思ったが、ワタシが入れ込んでいるほど実際は集客しないのかもしれない。そしてもうひとつは、彼らの代表曲『Marquee Moon』と、レッドマーキーを引っ掛けたのかな(笑)とも思う。LUNA SEAを経由してバウハウスを聴くファンがいるように、イエローモンキーを経由してエアロスミスを聴くファンがいるように、今ナンバーガールに入れ込んでいるファンがこれを機にテレヴィジョンに目を向けるようになってくれればいいな、なんてことをちょっとだけ思った。
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