「ロック」ということば
レディオヘッドの最近の2作はロックなの?という声があって、それについての自分の考えを整理する前に、いい機会なので「ロック」ということばについて整理してみる。「ロック」ということば単純なようでいて、実は数多くの意味を含んでいるのだと思う。
【音楽のジャンルを指し示すことば】
ジャズ、クラシック、ポップス、ラテン、歌謡曲、演歌、環境音楽といったことばと同列にある、音楽のジャンルを示すことばとしてロックということばは存在している。ただこれは広義のジャンル分けで、ロックの中は更に細かくジャンル分けがされている。
フォーク・ロック、ハード・ロック、プログレッシヴ・ロック、グラム・ロック、ギター・ロックといった具合。もちろんロックということばがつかないサブジャンルも存在し、ブラック、ファンク、ヘヴィー・メタル、パンク、ニューウェイヴ、テクノ、ハウス、ミクスチャー、ダンス・ミュージックといったジャンルもこのレベルに位置すると思っている(この辺りの認識は人によってばらつきが出るかもしれない)。
ジャンルを振り分けるこれらのことばだが、あくまでもひとつの目安に過ぎないのであって、あまり固執する必要はないと思っている。
【音楽に賭けるアーティストの姿勢】
アーティストの表現行為は音楽のみならず、ファッションや言動までをも用いる場合もあると思う。また一方では他の要素を全く用いず、音楽オンリーで勝負しようとする姿勢もあるだろう。生身の人間が何かを成し遂げようとするときに沸き起こるとてつもないエネルギーと、その原動力となるスピリット。このことをロックと呼ぶこともあると思っている。
拡大解釈すれば、アーティスト=表現者、音楽=表現そのものとすることもできるし、つまりこれは音楽以外にも適用できると思う。ワタシに言わせれば、北島三郎もイチローもビートたけしもロックだ。
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