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アラン・マッギーの半生を描いた『クリエイション・ストーリーズ』を観た

アラン・マッギーの半生を描いた『クリエイション・ストーリーズ』を観た

アラン・マッギーは、ロックバンドでの成功を夢見てグラスゴーからに渡る。自身のバンド活動をおこないつつ、生活維持のために国鉄で働いたり、ライヴハウスに出演するほかのバンドにも注目したりする。そして、レーベル「クリエイション・レコーズ」を立ち上げる。

クリエイションからの最初のブレイクは、ジーザス&メリー・チェイン。その後、、ティーンエイジ・ファンクラブ、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインらとの契約を取りつけ、彼らは傑作アルバムをリリースする。そして1993年、偶然立ち寄ったライヴハウスで、アランはを目撃する。

クリエイション・レコーズを設立したアラン・マッギーの自伝を映画化し、ダニー・ボイルが製作総指揮を務めている。当然のように音楽ネタが満載で、が『Loveless』 制作に時間を費やしすぎてレーベルが財政難に陥るくだりも、もちろん描写されている。アランが『Psychocandy』や『Bandwagonesque』のジャケット柄のTシャツを着ているのは、脚色かもしれないと思いつつ、ニヤニヤしてしまう。

この映画を観て、はじめて知ったこともある。グラスゴー時代の少年アランは、に聴き親しんでいた。ボビー・ギレスビーだけでなく、アンドリュー・イネスとも友人で、ロンドンに出たときアンドリューは一緒だったが、ボビーはグラスゴーに残っていた。

・パーソナリティーズは、バンド名のみ知っていたが、彼らがクリエイションの設立やアランと共に運営に携わっていたとは驚きだった。アランにサインを求めた日本人の女性ファンや、ロサンゼルスのパーティーで偶然を装ってアランに近づいてきた女性シンガーは、元ネタは誰だろうという想像もしてしまう。

音楽面からは充分楽しめるが、主軸はアランの半生になる。父親とは折り合いが悪かったが、母親は常にアランを支持し、夢を見ることを応援し続けてくれた。母が亡くなってアランが実家に戻ったとき、ギターを弾いてみせて彼女が喜んでくれたシーンや、こっそり貯めていたお金をアランに手渡すシーンが回想として描かれ、ちょっと泣ける。ラストでは、年老いた父親がヘッドフォンで『Wonderwall』を聴きながら口ずさんでいて、見つめるアランの眼差しがなんとも悲しげだった。

キャストは、ほとんどが知らない人だった。観た後に確認してわかったのは、アランがユエン・ブレムナーで、『トレインスポッティング』で演じるレントンとつるむ仲間のひとりスパッドを演じていた人。アランが煙たがっていた謎の映画プロデューサーは、ジェイソン・アイザックスという人。『ハリー・ポッター』シリーズでマルフォイの父親役だったが、あちらは金髪の長髪につき、見た目がまるでちがっていた。監督は俳優あがりのニック・モランで、劇中でもマルコム・マクラーレン役で出演している。

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