機動戦士ガンダムSEED
未来社会のコズミック・イラ(C.E.)は、遺伝子操作された人種「コーディネイター」と、通常の人類「ナチュラル」との対立により、コーディネイターが中心に形成されたスペースコロニー群「プラント」と、地球連合との戦争が勃発していた。
C.E.71年。中立国オーブが戦場になってしまい、コーディネイターの少年キラ・ヤマトは、成り行きからストライクガンダムに搭乗。その後地球連合の戦艦アークエンジェルに乗り組み、プラントの武装組織ザフトと戦う。ザフトには、コーディネイターで親友のアスラン・ザラがいた。
紀年体をC.E.とするガンダムシリーズで、2002年から2003年にかけて全50話でテレビ放送された。個人的には、不満と興味深さが交錯する。まずは不満だが、キャラクターデザインがなじまない。主要キャラの顔がほとんど似通っていて、よく見ていないと混乱する。ストーリーも、国家や組織の対立構造がかなり複雑だ。
うざい女キャラが多いのも、なんだかなと思う。フレイ・アルスター、カガリ・ユラ・アスハ、ナタル・バジルール。ひとりいるだけでも見ていてキツいのに、3人もいるとは。ナタルは軍人として規律を重んじ、時に情を交えて決断するマリュー・ラミアスと対立するのは、まだわかる。フレイは父を亡くした後に暴走してキラに迫り、カガリは感情ばかりが先走って、結局自分はほとんど何もできやしない(終盤でガンダムに乗り出撃するが)。
前半は観るのがかなり負担だったが、風向きが変わり始めたのは中盤からだ。キラとアスランは共に身近な仲間を殺し殺され、その先にコーディネイターとナチュラルの対立という構造を越えた戦いを目指すことになる。アークエンジェルは地球連合から離れて独自の行動をとるようになり、アスランがザフトを離れてキラと合流する。描きたかったのはこれかと、少しずつすっきりしてきた。
終盤では、キラの出生にかかる秘密やキラとカガリの関係などが明らかになる。アークエンジェルのエースパイロットでキラの兄貴分でもあるムウ・ラ・フラガと、ザフトのラウ・ル・クルーゼとの因縁など、興味深いポイントが次々に明確にされる。そして、ラスト2話は主要キャラが次々に死んでいく。
フレイとナタルは、実は同じ人が声優だ。桑島法子で、2人だけで直接会話するシーンもあるのに、演じ分けているのがすごい。この人、後に『宇宙戦艦ヤマト』リメイク版のヒロイン森雪や、最近だと『鬼滅の刃』で主人公炭治郎の母を演じている。
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