浜田省吾 40th Anniversary ON THE ROAD 2022 Live at 武道館
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最終更新日:2022/12/18
ライヴ ボブ・ディラン, ローリング・ストーンズ
浜田省吾が、40年前の武道館公演と同一のセットリストでのライヴを2日間に渡って敢行。初日は東京4年ぶりの豪雪の中で開催されたが、2日目のこの日は天候も落ち着いた。ウイークデーの16時30分開演は異例だが、それでもチケットは入手困難を極め、ワタシはなんとか当日券を入手することができた。
ほぼ定刻に客電が落ち、『壁にむかって』でスタート。浜田はロンTにTシャツを重ね着した、カジュアルないでたちだ。続く『明日なき世代』で、なんと場内総立ちに。開演前のアナウンスで、声出しは自粛だが自席で立ち上がるのはOKとあったとはいえ、コロナ禍でこの状況になったのには、少し驚いた。客入りは8割程度とされていたが、アリーナには空席が見られるものの、ワタシのいる2階スタンド席はほぼ満席に近いように見えた。
MCでは、当時のことをいろいろ話してくれた。40年前に武道館に臨んだときは、リリースしたアルバムは7枚だったこと、ツアーに出るときは数週間分の着替えとギターとカセットウォークマンを持って小田急線に乗って出掛けたこと、20代の頃は年間100本から150本のライヴをこなし、途中からネクタイはしてられなくなって白Tシャツにブルージーンズ姿になったこと、などだ。
バンド編成は、恐らくここ数年と同じと思われる。前列向かって右にギター長田、左にギター町支、長田より少し後方にベース美久月、その向かって右にオルガン&シンセサイザーの福田、町支の後方にサックス古村・トランペット・トロンボーンのホーンセクション。後方ひな壇は、向かって右にピアノ、中央にドラム小田原、左に竹内と中嶋のコーラス隊。総勢11名だ。
『愛という名のもとに』『モダンガール』『悲しみは雪のように』は、個人的にも気に入った曲で、何度聴いても染みる。これらは、アルバムで聴くと割とシンプルなアレンジだが、現在のライヴではよりゴージャスに、よりダイナミックなアレンジになって生まれ変わっている。
恐らく40年前の公演は本編ぶっ通しで進んだと思われるが、今回はここ数年の浜田のライヴに倣い、そして換気を実施する都合もあり、2部構成で15分のインターバルが設けられていた。1部のラストは『いつわりの日々』で、40年前には中国四国のプロモーターの社長に崖のセットを作ってドライアイスで滝を流しながら歌ったら?という妙な提案をされた曲だそうだ。
そして、第2部は『路地裏の少年』でスタート。レーザー光線が飛び交うド派手な演出に乗せ、アッパーに攻めていく。『ラストショー』では手を大きく左右に振って場内が一体になるが、女性コーラスふたりはともかく、(たぶん)コワモテのトランペットとトロンボーンのふたりまでもが手を振っていた。
『片想い』の手前だったと思うが、浜田がMCで初恋について語った後、なんと『My First Love』の『初恋』をワンコーラス弾き語りで歌った。えっ!?40年前の全曲再現ライヴと言いつつ、ちょっとした遊び心を加えたのだろう。
総勢11名のバンドメンバーだが、女性コーラス以外は全員ソロパートがあった。ふたりのギタリスト、長田と町支は、どちらがリードでどちらがリズムという明確な区分けはなく、それぞれが持ち味を発揮していた。ベース美久月のイントロによる『Peter Gunn』には、ニヤニヤしてしまった。要所に入る男性コーラスは、美久月、福田、町支が担っていた。
2部のラストは『愛の世代の前に』で、なんとステージから火炎が沸き上がり、演奏が終わる頃にはマグネシウムが放射された。ドーム会場ならまだしも、武道館でこれやるかと思った。当日券のワタシの席は、ほぼ天井と言っていい上から2列目だったが、それでも焦げ臭いにおいが漂ってきた。
アンコールは2回。初回はメンバー紹介を経て『Midnight Blue Train』で締め、2回目のオーラスはミラーボールが光る中での『ラストダンス』だった。どちらも、現在の浜田のライヴではラストに歌い演奏される曲だが、続けて聴けるのはかなりの贅沢だ。
セットリスト
01.壁にむかって
02.明日なき世代
03.青春のビジョン
04.土曜の夜と日曜の朝
05.愛という名のもとに
06.モダンガール
07.君の微笑み
08.悲しみは雪のように
09.いつわりの日々
10.路地裏の少年
11.ラストショー
12.片想い(『初恋』ワンコーラス含む)
13.陽のあたる場所
14.終わりなき疾走
15.独立記念日
16.反抗期
17.東京
18.愛の世代の前に
1stアンコール
19.あばずれセブンティーン
21.Midnight Blue Train
2ndアンコール
22.ラストダンス
浜田は最初のMCで、コロナ禍のため2年かけて準備してきたツアーをことごとく延期せざるをえなかったと言っていた。そして、この武道館公演を無事に迎えられたことの喜びを、ワタシたち観客と同様に噛み締めていた。
この公演は、武道館40周年にかけたアニバーサリーの意味合いであると同時に、浜田が今なお現在進行形であり、「STILL ON THE ROAD」なのだと思った。ロックアーティストは、体力的には20代30代がキャリアのピークになるはずだが、この人の場合キャリアを重ねれば重ねるほど表現力が増していて、今が何度目かのピークに達しているのではと思わされる。ボブ・ディランや、ローリング・ストーンズのように、だ。
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