*

ザ・フー(The Who)『Classic Albums : Who’s Next』

公開日: : 最終更新日:2021/09/08 The Who , , ,

ザ・フー(The Who)『Classic Albums : Who's Next』

ロックの名盤アルバムが如何にして誕生したかを検証するドキュメンタリー、クラシック・アルバムズというシリーズがある。ワタシが観たことがあるのはクリーム『Disraeli Gears』やThe Joshua Tree』といったところだが、フーでは『Who's Next』が取り扱われている。

当時の状況として、『Tommy』の成功により経済的に追い風を受けられるようになり、またの創作意欲も上昇の一途だったと思われる。よく知られているように、『Who's Next』は当初ピートが『Lifehouse』というコンセプトアルバムの制作を目論んでいたのだが、そのコンセプトがバンドのメンバーやスタッフには全く理解されず、結局頓挫。その残骸を再構築してできたアルバムである。ピートはアルバムだけでなく、ジカルなど映像化をも見据えていたそうだ。

ピートはインタビュ-で『Lifehouse』を完成できなかった後悔を延々と語り、一方やジョン・エントウィッスルは淡々とコメントしている。『My Wife』はジョンが温めていた曲だということも明かされていて、ジョンは『Lifehouse』のコンセプトとはリンクしないと語っている。また、ライヴのシーンも随所に盛り込まれてはいるのだが、それらは映画『キッズ・アー・オールライト』など既発のものの流用だったのが残念。

冒頭『Baba O'riely』のイントロは、エンジニアが語っていたのだが、ループ処理ではなくピートが実際にシンセサイザーを弾いたのを録音したそうだ。終盤のバイオリンについても、スタジオで演奏が再現されている。電子音楽の導入についてはバンド内では意見が割れていたようで、ピートは積極的だったが他のメンバーは違和感を感じていたとのこと。そのギリギリのところでバランスがとれているのが、このアルバムの強みだろう。

関連記事

ザ・フーのジョン・エントウィッスルさん(John Entwistle)死去

ザ・フーのベーシスト、ジョン・エントウィッスルさんが亡くなった。57歳だった。 フーは

記事を読む

ランバート・アンド・スタンプ

ランバート・アンド・スタンプ(ネタバレあり)

1960年代前半のロンドン。映画の助監督をしていたキット・ランバートとクリス・スタンプは、自

記事を読む

ザ・フー(The Who)『Live In Boston』

ザ・フーが2002年9月に行ったライヴのDVDを観た。2002年というのは、ツアー開始直前に

記事を読む

ザ・フー(The Who)『Quadrophenia And Tommy Live With Special Guests』

ザ・フーが残した2大ロックオペラ、『四重人格』と『トミー』。この2作品をそれぞれ再現したツア

記事を読む

ザ・フー「VH1 Rock Honors:The Who」

アメリカの音楽チャンネルVH1で、「Rock Honors」という偉大なアーティストを称える

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑