ザ・フー(The Who)『Classic Albums : Who’s Next』
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最終更新日:2021/09/08
The Who U2, ザ・フー, ピート・タウンゼント, ロジャー・ダルトリー
ロックの名盤アルバムが如何にして誕生したかを検証するドキュメンタリー、クラシック・アルバムズというシリーズがある。ワタシが観たことがあるのはクリーム『Disraeli Gears』やu2『The Joshua Tree』といったところだが、フーでは『Who's Next』が取り扱われている。
当時の状況として、『Tommy』の成功により経済的に追い風を受けられるようになり、またピート・タウンゼントの創作意欲も上昇の一途だったと思われる。よく知られているように、『Who's Next』は当初ピートが『Lifehouse』というコンセプトアルバムの制作を目論んでいたのだが、そのコンセプトがバンドのメンバーやスタッフには全く理解されず、結局頓挫。その残骸を再構築してできたアルバムである。ピートはアルバムだけでなく、ミュージカルなど映像化をも見据えていたそうだ。
ピートはインタビュ-で『Lifehouse』を完成できなかった後悔を延々と語り、一方ロジャー・ダルトリーやジョン・エントウィッスルは淡々とコメントしている。『My Wife』はジョンが温めていた曲だということも明かされていて、ジョンは『Lifehouse』のコンセプトとはリンクしないと語っている。また、ライヴのシーンも随所に盛り込まれてはいるのだが、それらは映画『キッズ・アー・オールライト』など既発のものの流用だったのが残念。
冒頭『Baba O'riely』のイントロは、エンジニアが語っていたのだが、ループ処理ではなくピートが実際にシンセサイザーを弾いたのを録音したそうだ。終盤のバイオリンについても、スタジオで演奏が再現されている。電子音楽の導入についてはバンド内では意見が割れていたようで、ピートは積極的だったが他のメンバーは違和感を感じていたとのこと。そのギリギリのところでバランスがとれているのが、このアルバムの強みだろう。
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