007 スカイフォール(2012年)
MI6のエージェント、007ことジェームズ・ボンドは、トルコで漏洩した情報を入手した敵と格闘していた際、新人エージェントのイヴが部長Mの指示で発砲した銃弾を受けてしまい、谷底に落ちて行方不明になる。数ヵ月後、英国ではボンドの死が正式に認定された。更にはMのパソコンがハッキングされて情報が盗まれ、MI6本部が爆破されて数人の職員が亡くなってしまう。
MI6は地下に臨時の本部を構え、姿をくらましていたボンドも復帰。情報を盗んだ敵の男を上海で倒し、マカオを経て男の雇い主のアジトのある島へ向かう。雇い主はラウル・シルバという男で、かつてはMI6のエージェントだった。Mの部下として任務遂行中に見捨てられ(実際はラウルが任務外の行動によって情報を得ようとしていたため、Mは組織としての正しい判断を下した)、それを逆恨みしてMに執着していた。
ラウルのアジトの島は、劇中は場所の特定はなかったが、撮影地は日本の軍艦島だった。タイトルの「スカイフォール」だが、これはボンドが少年期を過ごした館の名前だった。逃れたラウルが再びMを狙ってくることがわかっていたボンドは、Mを連れてスコットランドのスカイフォールに行き、自分が戦いやすい舞台にラウルをおびき寄せる作戦に出たのだ。
キャストは、ジェームズ・ボンドをダニエル・クレイグ。Mをジョディ・デンチ。ラウルは、ハビエル・バルデムという人。Mに引退を迫る政治家を、レイフ・ファインズ。「ハリー・ポッター」シリーズでヴォルデモートを演じていた人だ。自分の出世を気にしつつボンドをサポートするQは、ベン・ウィショー。本作のボンドガールはというと、ラウルの部下だがラウルを殺したがっているセヴリンという女がいて、しかし前半であっさり殺されてしまう。ベレニス・マーロウという人が演じていた。主題歌は、アデルが歌っていた。
劇場版007は、現在まで24作品が公開されていて、本作は23作目にあたる。007ことジェームズ・ボンドはMI6に所属し、MI6はイギリスの諜報機関なのだが、これまでは世界各地を飛び回っていて、イギリスが舞台になったのは実質的に本作がはじめてだ。ロンドンのテムズ川沿いにあるMI6本部が序盤で爆破されるほか、復帰したボンドが技術エージェントのQと落ち合うのは、トラファルガー広場のナショナル・ギャラリーにて。車道のど真ん中をボンドが走るシーンは、もちろん道路を完全封鎖して撮影。ハリー・ポッターでも許可されなかった封鎖が、007では許可されたのだ。いったんは確保したラウルが逃亡した際、ボンドとの攻防はロンドン地下鉄が舞台になっていた。
関連記事
-
007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(少しネタバレ)
MI6を離れ、マドレーヌと共にイタリア南部に向かったジェームズ・ボンド。ヴェスパーの墓を訪れ
-
007 スペクター(2015年)
メキシコシティで開催中の祭の中、007ことジェームズ・ボンドはスキアラという男を襲い、最終的
-
007 カジノ・ロワイヤル(2006年)
ジェームズ・ボンドは、マダガスカルで武器密造人を監視し、射殺。その男の携帯電話のメッセージ「
-
『Pen+ 007完全読本』を読んだ
数回の延期を経て、ついに公開された『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(以下NTTD)』。それ
-
007 慰めの報酬(2008年)
ヴェネチアで金の入ったトランクを奪ったミスター・ホワイトを捕らえた、ジェームズ・ボンド。組織
- PREV
- ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(2016年)
- NEXT
- 007 スペクター(2015年)