ジョジョの奇妙な冒険 第4部:東方仗助
第3部から10年後の1999年、日本のS市杜王町が舞台。現在は、「ダイヤモンドは砕けない」という副題がつかられている。
東方仗助はジョセフ・ジョースターが日本人女学生と浮気してできた高校生で、承太郎から見ると年下の叔父にあたる。承太郎は、仗助に遺産分配のことを伝えるのと、町にスタンド使いの犯罪者がいるらしいことから、杜王町を訪れる。
ジョースター一族はディオの復活によってスタンド能力が覚醒したが、そうでない人は弓と矢で射抜かれ、資質のある者がスタンド使いになっている。虹村兄弟が弓と矢を杜王町に持ち込んでスタンド使いを増やし、前半は彼らとの攻防に。そして後半になると、異様な性癖を持つ男吉良良影がラスボスとして登場する。
第4部は、実はワタシがジョジョシリーズを読むのを挫折してしまった章だ。序盤だけ読み、第1部から第3部までに見られた緊迫感が感じられなかった。ジョジョは第3部、あるいは第2部で終わるべきだったとも思った。
第3部以上に、どうでもいい話を包含している。戦うわけでもなくスタンドを使って料理を作るうイタリア人、自称宇宙人、透明の赤ん坊など、第3部以上に全カットできる場面が増えたと個人的には思う(透明の赤ん坊は、結果的にではあるがぎくしゃくしていた仗助とジョセフとの間を取り持つという役目を果たしたが)。
ただその分、終盤に登場したラスボス吉良の存在感、そして触れたものを爆弾に変えてしまうスタンド「キラー・クイーン」は圧倒的だった。最後は仗助、虹村億泰、広瀬康一、承太郎の連携によって倒すのだが、ここで特筆すべきは、スタンド使いではなくしかも小学生の川尻早人の踏ん張りだ。
というわけで、一度は挫折した第4部だが、読み通すと結構面白い。杜王町という言わば閉じた空間での攻防だが、こういうのもアリと思わせてくれる。
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