ジョジョの奇妙な冒険 第1部:ジョナサン・ジョースター
連載開始から30年以上を数え、単行本は累計100巻を突破している『ジョジョの奇妙な冒険』。世界観は二世紀以上に及ぶ壮大な物語で、現在は第8部が連載中だ。第1部は、現在は「ファントム・ブラッド」という副題がついている。
19世紀後半のイギリス。名門ジョースター家の跡取りジョナサン(ジョジョ)と、養子ディオの戦いが中心。ジョジョを阻害しジョースター家を乗っ取ろうとするディオは、病気に見せかけてジョースター卿を毒殺しようとするが、ジョジョに見破られる。ディオは石仮面をかぶって不死身の吸血鬼となり、ジョジョはディオに対抗すべく、ウィル・A・ツェペリの手解きで波紋の修行を積み、スピードワゴンのサポートも得てディオに立ち向かう。
すべての始まりが、この第1部だ。少年ジャンプで連載が始まったのが1987年で、この第1部だけはワタシはリアルタイムでジャンプで読んでいた。このときはまさか30年以上も話が続くなど全く思わず、『ジョジョ』の前に作者の荒木飛呂彦によって書かれていた『魔少年ビーティー』『バオー来訪者』の流れを継ぐ作品、といった認識しか持たなかったのが当時の記憶だ。
ディオは、石仮面をかぶった後はモンスターとなり、やがて第3部では無敵状態にまでなるのだが、この第1部の前半では野心的な青年で、読んでいて少しまぶしかった。一方のジョナサンだが、出だしこそのび太のようなひ弱なキャラクターだったが、ここぞというときには持ちこたえ、そしてディオもたじろぐような爆発力を発揮する。お坊っちゃんということを除けば、非常に好感が持てる。
ジョナサンに自分の技と魂を託して散っていったツェペリ、第2部で財団を設立し、以降ジョースター家をサポートし続けるスピードワゴンと、脇を固めるキャラクターたちの輝きも見逃せない
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