ロボコップ(1987年)
犯罪ひしめく近未来のデトロイト市は、ロボットを生産する巨大企業オムニ社が市警を管理していた。転属してきたアレックス・マーフィーは、マフィア一味を追い詰めるも返り討ちにあい、あえなく殉職。オムニ社は、法的には死亡したマーフィーの肉体を元に、ロボコップを作りあげる。
ロボコップの活躍によって犯罪は低減されつつあった。しかしロボコップは、消去したはずの人間のときの記憶が一部残っていて、妻子や自分を殺したマフィアの残像に悩まされ、自分が何者なのかという葛藤を抱えてしまう。
80年代後半から90年代前半にかけて公開された、シリーズ3部作の1作目だ。高性能なロボコップには未来志向とSF志向が伺え、マフィアとの銃撃戦はアクションの、その舞台が廃坑となっているのは旧来の刑事ものの要素を汲んでいる。
今観ても新鮮なのは、絶命しかけているマーフィーの視点がやがてロボコップの視点に変わっていくところで、ロボコップ誕生の瞬間を、周囲の人間の視点ではなくロボコップの側から体感できることだ。
低予算映画だったらしいが、大ヒットを記録。マーフィーを演じるのはピーター・ウェラーで、序盤で殺されてしまい以降は顔がほとんど出ないという結構酷な役どころだが、恐らくこの人の代表作だ。監督は『トータル・リコール』などのポール・バーホーベンで、この人にとっての出世作にもなっている。
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