ブラックパンサー(ネタバレあり)
アフリカのワカンダ国は宇宙から降ってきた希少金属「ヴィヴラニウム」を元に文明を発達させる一方、外部の国とは接触を控えてきた。先王の死により跡を継いで王となったティ・チャラは、ロンドンの博物館からヴィヴラニウムがクロウ一味によって強奪され、韓国で取引されることを知って向かうが、強奪者の捕獲に失敗。一方、クロウも協力者と思われていたエリックに殺害される。ワカンダに向かったエリックには、出生の秘密があった。
マーベル・シネマティック・ユニバースの1作で、劇中の時間軸では『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』の後を受けている。ティ・チャラの父である先王の死はここで描かれているし、本作に先駆けてブラックパンサーも登場している。一方、ストーリーとしては昨年公開された『マイティ・ソー バトルロイヤル』似通ったものがある。共に主人公は王で、父の死後、父が隠していた秘密が争いの火種になっている。
キャストは、ワタシが観てわかったのはCIAのロス役のマーティン・フリーマンくらい。観終わった後でいろいろ調べてみる。主人公ティ・チャラはチャドウィック・ボーズマン(『42』」『ジェームズ・ブラウン』の主人公)。エリックはマイケル・B・ジョーダン(『クリード チャンプを継ぐ男』の主人公クリード)、ティ・チャラのよき理解者ズリがフォレスト・ウィテカー(『クライング・ゲーム』『ローグ・ワン』)。クロウはアンディ・サーキスで、素顔で出演している(笑)。
チャドウィック・ボーズマンは、知的で品があって穏やかな表情をしている。マイケル・B・ジョーダンは対象的にギラギラした目つきで、好戦的な雰囲気が漂う。共に身体能力に恵まれていて、クライマックスでのブラックパンサー同士の戦いも(スーツアクターによるアクションも含まれていると思うが)見応えがある。2人とも既に主演をこなしているが、これから先も伸びていく可能性を秘めていると思い、今後が楽しみだ。
黒人ヒーローが主人公であること、元カノのスパイ、王に仕える近衛兵、高度な科学技術を司る妹など、ティ・チャラを支える面々の多くが女性でであることなど、これらをハリウッドのエンターテイメント映画で描いたことは画期的とされている。ワカンダを文明国としているのは確かに画期的だが、アフリカの描き方がこれで正しいのかどうかは、ちょっとわからない。
マーベル・シネマティック・ユニバースとの連携だが、希少金属ヴィヴラニウムは、キャプテン・アメリカの盾の原料になっている。作ったのはトニー・スタークの父ハワードだが、ワカンダに出入りしたというよりは裏のルートを駆使して入手したのではないか。また、お約束のエンドロール後のシーンでは、あのキャラクターがワカンダにいたことが明らかになる。そして毎回カメオ出演しているスタン・リーだが、今回はとてもわかりやすい(笑)。
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