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スーサイド・スクワッド(2016年)

スーサイド・スクワッド(2016年)

ミッドウェイ・シティ。アメリカ政府の高官ウォーラーは、刑務所に服役中の犯罪者たちを集め、"使い捨て部隊"ことスーサイド・スクワッドを結成。犯罪者たちは首にナノ爆弾を仕込まれ、やむなくミッションに参加することに。考古学者ジューンに付いていた魔女エンチャントレスは、ジューンの肉体を乗っ取り、ミッドウェイ・シティを支配し人類を滅亡せんとする。

DCエクステンデッド・ユニバースの3作目で、劇中の時系列では『バットマンvsスーパーマン』の次にあたる。強大な敵に立ち向かうために、主人公たちが協力するというプロットは最早お馴染みだが、それぞれ個として暴れていた犯罪者(ヒーローものでは「ヴィラン」と呼ばれる)たちが協力しあうというのがどうにも不自然で、説得力を欠いている。

キャストは、狙撃手デッドショットにウィル・スミス、キャプテン・ブーメランに、ハーレイ・クインに、彼女の恋人ジョーカーにジャレッド・レト、スーサイド・スクワッドを指揮する陸軍大佐リックにジョエル・キナマン、リックを護衛するカタナに福原かれん。ウィル・スミスは、犯罪者というより娘想いの父というキャラクターが前に出過ぎている。ジェイ・コートニーは、特殊メイクのせいもあり、見てもわからなかった。福原かれんは・・・なんだかなあ。

ジョエル・キナマンは、『チャイルド44』では卑劣な軍人役だったが、ここではスーサイド・スクワッドを率いつつ彼らに一定の理解も示し、恋人が魔女になってしまった苦悩も見せている。ジョーカーは実はスーサイド・スクワッドのメンバーではなく、ハーレイ・クインを救い出そうと引っ掻き回す役どころ。イカレっぷりは、強いて言えばに近いキャラクターだ。

この作品で一番の儲け役は、マーゴット・ロビーだ。ハーレイ・クインはもとは精神科医だったが、ジョーカーと恋仲になって脱獄を手引きし、ジョーカーに自身の精神を歪められてサイコパスになってしまった。特殊な能力があるわけでもないのだが、何をしでかすかわからない得体の知れない不気味さを備えつつ、色気を振り撒いてチームのムードメーカー的なポジションになっている。ウィル・スミスの存在感はそれまでの実績や顔を生かしてだが、彼女の場合はこの作品で才能が開花した。

さて、DCシリーズということで、その後につながるヒーローたちもちらちら出演。デッドショットはバットマンに、キャプテン・ブーメランはフラッシュに、それぞれ投獄されている。エンドロールの最中には、ウォーラーがブルース・ウェインに特殊能力者のファイルを手渡すシーンがあり、アクアマンの写真が確認できる。ブルースは、このファイルをもとに、ジャスティス・リーグ結成のためのスカウト活動を始めるというわけだ。

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