ジョン・ウィック:チャプター2(ネタバレあり)
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最終更新日:2021/03/21
ジョン・ウィック キアヌ・リーブス, ローレンス・フィッシュバーン
たったひとりでロシアンマフィアを追い詰めたジョン・ウィックは、奪われた自分の愛車を奪還。愛車の修理を依頼した後、イタリアンマフィアのサンティーノ・ダントニオがジョンを訪問。サンティーノはジョンが殺し屋稼業を引退するために引き受けた仕事で借りがあり、断ることのできない「誓印」を交わしていた。
依頼内容は、幹部のひとりであるサンティーノの姉ジアナの暗殺だが、ジアナはジョンに追い詰められたところで自殺。そこへ、姉の仇討ちと称したサンティーノの部下たちがジョンを襲う。更にサンティーノはジョンに7億円の賞金を賭け、ニューヨーク中の殺し屋にその情報を流す。
前作『ジョン・ウィック』がインディーズ映画ながら好評だったとのことで、その続編になる。劇中の時間軸は、前作より5日後。今回は規模が拡大し、ニューヨークとローマでド派手な銃撃戦が繰り広げられる。ジョンは前作ほど非情でも無敵でもなく、何度も窮地に追い込まれる。ジアナをさっさと殺さず彼女の言い分を延々と聞いているし、彼女の部下はジョンと同等の戦闘能力を持ち、ジョンは脇腹を刺されてしまう。
ジョンはもちろんキアヌ・リーブス。体格ががっちりしていて、大柄の印象を受ける。銃撃戦やカーアクションだけでなく、生身での格闘シーンも多い。前作以上に柔道の投げ技が多かった気がする。裏社会ではジョンは鉛筆だけで人を殺したというエピソードがあってマフィアの間では語り草になっているが、今回追ってくる賞金目当ての殺し屋2人をまさに鉛筆で仕留めるシーンがあり、かなりエグい(R15指定)。
窮地に陥ったジョンが頼ったのが、マフィアとは別の裏社会でキングと呼ばれている男で、演じるはローレンス・フィッシュバーン。2人の共演は『マトリックス』シリーズ以来とのこと。ニューヨークのコンチネンタルホテルの支配人やコンシェルジュは、前作と同じ人が演じている。監督はかつてキアヌのスタントを務めていた人だそうだ。終盤、ジョンがサンティーノを追い詰める中で部下と鏡の部屋で戦うのだが、『燃えよドラゴン』へのオマージュだろう。
面白いと思うのは、裏社会の描き方だ。ルールは2つ。血の誓いを交わした「誓印」では、1度だけどんな依頼でも引き受けなければならない。コンチネンタルホテルの中では、「仕事」をしてはならない。このルールを破った者は、裏社会から追放される。他にも、裏社会の中でだけ使える金貨、銃弾の貫通しないスーツや短銃・ライフルの仕立てなどが、テンポよく描かれている。極めつけはサンティーノがジョンに賞金を賭けるところで、電話した先は電話交換手のおばさんたちがいるようなレトロなところ。入力もパソコンではなく、タイプライターだったと思う。
さて、第3作の制作が早くも決定しているとのこと。恐らく完結篇になるはずだが、今作の流れからするとジョンを手助けしてくれる者はキング以外にいなさそうで、ジョンがどうやって巻き返すのかが見ものだ。
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