攻殻機動隊Stand Alone Complex
アニメ版攻殻機動隊の本流は映画『Ghost In The Shell 攻殻機動隊』なのだが、主人公の草薙素子は、ラストでその意識をネットの中に解放し「人形使い」と融合。実体のない存在になってしまった。『Stand Alone Complex=S.A.C.』は、もし素子が人形使いと出会わず公安9課に残っていたら、と仮定したパラレルワールドだ。
2つのシリーズがあり、1st GIGの放送は2002年、2nd GIGは2004年に放送。それぞれ全26話で、30分1話完結を基本とする。ストーリーは公安9課の目線で展開され、素子やバトーだけでなくイシカワ、サイトー、ボーマ、パズらについても描かれている。1st GIGではアオイという天才ハッカーが絡む「笑い男事件」が中核にあり、2nd GIGでは「個別の11人事件」という軸がある。
1st GIGのとき、通常の事件のときはサブタイトルのバックグラウンド画面がグリーン、笑い男事件のときはブルー(つまり青い=アオイ)だった。このことを知りながら観ていたので、回によってサブタイトルを見た時点で笑い男事件だなと認識することができた。
9課の中心は、素子、バトー、そして荒巻だが、トグサが結構キーになっているとも思える。9課の面々は皆軍人あがりの中、トグサは元刑事という経歴で、妻子持ちだ。笑い男事件特捜部にいた元同僚とのやりとりから、事件が終わっていないことを感知。9課の中で最初にアオイに接触したのも、トグサだった。もっとぶっちゃけると、トグサとアオイの声優は同じ人(山寺宏一)。
首の後ろにプラグを射すことでネットに接続し、コンピューターやマシンの操作、人の記憶のリサーチなどを可能にする、「電脳化」。人体のうち、脳と脊髄以外をサイボーグ化する「義体化」など、ハイテクが完成した近未来のひとつのモデルを提示しつつ、「難民問題」「原発」など、今の世界にも通じるテーマを取り扱っている。「Stand Alone Complex」とは、独立した個人が結果的に集団的総意に基づく行動を見せること、あるいは、オリジナルの存在しないコピー、と、劇中では定義づけられている。
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