Pixies@HostessClubWeekender
個人的にピクシーズを観るのは2010年サマーソニック以来で、つまりベースがパズ・レンチャンテインになってから観るのははじめてだ。
定刻より少し遅れてメンバー登場。長い長いイントロを経て、『Gouge Away』でスタートだ。中央にブラック・フランシス。黒のジャケット姿で、サングラスではなくメガネをかけている。体型が、また一段と幅広になっている気がする。向かって左がギターのジョーイ・サンティアゴ。ブラックとは対照的に、半袖シャツのラフないでたちだ。ドラムセットは後方ひな壇に設置され、デイヴィッド・ラヴァリングが陣取っている。
そして、ブラックの向かって右にいるのがパズだ。個人的には2003年のズワンのライヴで彼女を観ているが、細身の体型やロングの黒髪、そして笑みを絶やさない表情は、そのときのイメージと変わらない。『Um Chagga Lagga』では、早くもブラックとのツインヴォーカルを見せてくれる。ベースも、よく聴こえる(ネックには花がついているように見えた。)。新譜『Head Carrier』を聴いた限りでは、少し控えめな印象を受けたが、ステージでは自信を持ってプレイしているようだ。
セットリストは、キャリア横断的だ。『Monkey Gone to Heaven』『Caribou』『Hey』『Cactus』『Ed Is Dead』と、耳慣れたピクシーズ・ナンバーがこれでもかとばかりに連射される。曲間は極力切らさず、またギター交換などの際もデイヴィッドが軽くドラムを叩くなどして、間延びさせないようにしている。今日出演したバンドの中で最もキャリアが長く、最も年をとっている人たちのはずなのに、演奏に注ぐ集中力は秀でている。
『Wave of Mutilation』『Here Comes Your Man』といった際立つナンバーを経て、新譜『Head Carrier』の曲は終盤に固め撃ちされた。タイトル曲やポップな『Talent』『Tenement Song』、そしてパズがリードヴォーカルの『All I Think About Now』。新譜は、メロディーが大人っぽくなり、バンドが円熟期に入ったと感じさせる。
パズはそのままベースを弾き続け、『Debaser』へとなだれ込む。ブラックのシャウト混じりのヴォーカルに、パズのヴォーカルも絡む。轟音ギターでありながらポップでもあり、多くのアーティストのリスペクトを受けている。ピクシーズの本質を裏付ける曲のひとつではないだろうか。演奏を終えた4人はステージ前方に集まり礼をするが、アンコール扱い?で最後にあと1曲演ってくれた。
Hostess Club Weekenderに何度か参加させてもらって思うのは、新人や中堅どころがいいパフォーマンスをしつつも、ヘッドライナーはやはり格の違いを見せつけ、渾身のプレイをすることだ。ピクシーズのとき、ピューマローザとガール・バンドはフロアで、Monoのメンバーは関係者用エリアで、ライヴを観ていた。彼らにとっても、それを納得させられるパフォーマンスだったと思う。
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