ミス・ポター(2007年)
『ピーター・ラビット』の原作者である、ビアトリクス・ポターの半生を描いた『ミス・ポター』という伝記映画がある。
20世紀初頭のロンドン。良家の子女ビアトリクスは、家柄や体裁にこだわる縁談を次々に断り、30を過ぎて独身。そして貴族の女性が仕事をするような時代ではなかった中、彼女は自分が描いたウサギの物語『ピーターラビット』の原稿を手に、出版社を渡り歩いていた。
ウォーン兄弟が経営する出版社にて採用が決まるが、彼らはこの本が売れるとは思わず、失敗しても構わない仕事として三男のノーマンに回す。しかしノーマンはビアトリクスの才能を認め、また兄たちに自分が有能であると証明するために奔走。果たして、出版された『ピーターラビット』はベストセラーとなった。やがて2人の関係も徐々に深まり、ノーマンはビアトリクスに結婚を申し込む。
主人公ビアトリクスをレニー・ゼルヴィガー、ノーマンをユアン・マクレガーが演じている。レニー・ゼルヴィガーは決して美女の部類ではないと思うのだが、ほんわかとしたムードを漂わせつつ、決めるところでは決めるという芯の強いビアトリクスを演じている。
ユアン・マクレガーについては、これまで『トレインスポッティング』『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』『スター・ウォーズ』『アイランド』などで観てきたが、アクションや青春ものだけでなく、幅広い役どころをこなす役者になったなあと唸らされた。ビアトリクスが描く動物キャラクターが、CG効果により紙上で動き回るのも、観ていて微笑ましい。
2007年の劇場公開時に観に行ったが、その年観に行った中でベストと言える作品だった。それは、女性の視点から仕事や恋愛について描かれていて、それが男性から見ても共感できる点が多かったからだ。
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