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‎レディオヘッド(Radiohead)@サマソニ2016‎

‎レディオヘッド(Radiohead)@サマソニ2016

来日は2012年以来で、となると2003年以来実に13年ぶりになる。個人的には、今回が11回目のレディへだ。

セットチェンジに時間を要し、定刻より10分ちょっと遅れてやっと場内が暗転。新譜『A Moon Shaped Pool』からの『Burn The Witch』でスタートし、以降この新譜からの曲を続けていく。バンドは、メンバー5人に、ドラマーがプラス。4年前のように、ポーティスヘッドの人のようだ。

新譜から5曲続けたところで『2 + 2 = 5』となり、続くのが『Airbag』だ。ギターバンド時代からの曲には場内のリアクションがすこぶるよく、マリンステージ全体を揺るがさんばかりのどよめきが起こる。『No Surprises』も然り。映像は画面分割してメンバーを捉えるのが基本だが、曲によってはアブストラクトなものにもなっていた。

のテンションが妙だ。日本語を交えたMCはいいが、わけのわからない唸り声も度々あげていて、不調なのか機嫌が悪いのか、とか、いろいろ勘繰ってしまった(どうやらそういうことでもなかったらしい)。落ち着かないトムとは対照的に、ジョニー・グリーンウッドはアクティブだ。ギターやプログラミングだけでなく、鉄琴やパーカッション、そしてピアノも担当。ピアノはこれまでほぼトムが担っていたと思うので、とても新鮮だ。

終盤は『The National Anthem』でギアが一段入り、『Lotus Flower』を経て、『Everything In It's Right Place』ではシンプルなエレピを弾きながらトムが歌った。本編ラストは『Idioteque』。オーディエンスからのどよめきが起こるアルバムには、『Kid A』も含まれるようになった。

ここまで比較的淡々と進んできたが、アンコールで事態は急変。ジョニーの「キョウハアツイデスネ」というMCの後、まずはレアナンバー『Let Down』。今年のツアーで10年ぶりに演奏されたとして話題になっていた。『Nude』も比較的レアと思う。そして前触れもなく、突然『Creep』のイントロが流れた。場内は、大興奮で混乱寸前だ。

個人的には、結構冷静だった。今回のツアーでは割と演奏されていて、前日の大阪では演奏されなかったと知った時点で、6割くらいの確率でやるだろうと予想していたからだ。そしてワタシが注目したのは、ここでもジョニーだった。サビに入る直前にギターをギャギャッと3度かきならすのだが、これが結構ハードにされるのだ。13年前、2003年のサマソニの映像が、一瞬頭の中に浮かんだ。

更に『Bodysnatchers』を経て、オーラスは『Street Spirit (Fade Out)』。今回、フェス主催者はに2時間の枠を用意したが、バンドはその持ち時間をフルに使い切った。

セットリスト
Burn The Witch
Daydreaming
Decks Dark
Desert Island Disk
Ful Stop
2 + 2 = 5
Airbag
Reckoner
No Surprises
Bloom
Identikit
The Numbers
The Gloaming
The National Anthem
Lotus Flower
Everything In It's Right Place
Idioteque

Encore:
Let Down
Present Tense
Nude
Creep
Bodysnatchers
Street Spirit (Fade Out)

他のアーティストとの比較になれば、段違いにすごいのは明らかだ。がしかし、バンド自身のあゆみとしては新たな局面を迎えているのではと感じている。13年前のような神がかったパフォーマンスとは異なる、ゆるさを保持しながらのプレイ。これは、バンドがこれまで培ってきたものを解体し、再構築しようとしていることの表れのような気がする。そして再構築のキーマンは、ジョニーになると思う。

サマーソニック2016、無事終了。参加された皆さん、おつかれさまでした。

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