キング・クリムゾン(King Crimson)『Eyes Wide Open Disc 1』
キング・クリムゾンのライヴDVDを観た。2枚組になっていて、Disc 1は2003年の東京公演だ。このときのメンバーは、ロバート・フリップ、エイドリアン・ブリュー、トレイ・ガン、パット・マステロットの4人だった。
2003年の東京公演は、今はなき新宿の厚生年金会館で行われたもので、実はワタシが観に行った日のものだった。当日、会場内にWOWOWのカメラがあるなと気付いてはいたのだが、そのとき撮影された映像がこうした形で日の目を見たのだと知った。
残念ながらいくつかカットされた曲があり、また何曲かは他の公演日のものに差し替えられている。ではあるが、基本的には完全主義のクリムゾンらしく、繊細で緻密なパフォーマンスがそのまま記録されている。
まだ客電がついたままの状態でロバート・フリップがふらっと登場しギターを弾き始める。やがて客電が落ち、他のメンバーも合流してバンド演奏がはじまるという具合だ。エイドリアン・ブリューは頭部が結構厳しく、また肌着に見える白Tシャツ姿に。なぜ好んでこの格好なのかと思ってしまう。
演奏のクオリティの高さは鉄板だ。この時期のクリムゾンの音楽をフリップは「ヌーヴォ・メタル」ということばで表現。この時期のテーマ曲と言っていい『Power To Believe』や70年代のヘヴィー・メタル期を彷彿とさせる『Level Five』など、従来のクリムゾンを継承しつつ時代に呼応させている。しかし、今観るとインストナンバーの多くがかなり実験的で、クリムゾンの従来の枠を飛び出そうとしているようにも見える。
ワタシもその日そのときその場にいたのだという記憶が、まざまざとよみがえってきた。
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