ジュラシック・ワールド(ネタバレあり)
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最終更新日:2021/02/18
ジュラシック・パーク クリス・プラット
『ジュラシック・パーク』の惨劇から約20年。島の運営をジョン・ハモンド引き継いだマスラニ社は、かつてハモンドが夢見ていた恐竜テーマパークを実現させていて、パークは1日2万人の観光客が訪れる巨大施設になっていた。
近未来のような高度な設備で恐竜を見たり、あるいは直接触れたりすることのできる施設。その裏側では、4匹のラプトルの調教や、遺伝子操作によって生まれた新種の恐竜インドミナスの飼育などがされていた。しかしインドミナスは調教師たちを欺き、飼育エリアを脱出。運営責任者のクレアは、パーク北半分を閉鎖しインドミナスを捕獲せんとするが、彼女の甥ザックとグレイが、まだ残されていた。
シリーズ1作目から実に22年を経て公開された4作目だが、ある意味で1作目直系の続編にもなっている(つまり、『2』『3』は観ていなくても可。『1』は観ておくべき)。舞台は『1』と同じ島で、そのときは試作段階だったパークが、ここでは既に実運用されている。そしてザックとグレイが潜り込んだのは旧パークエリアで、『1』で使われていたジープを修理してインドミナスから逃げようとする。
ラプトルを調教するオーウェンを、クリス・プラット。元海軍という設定で、体格がよく運動能力に秀でているだけでなく、ラプトルと心を通わせるソフトな面も併せ持つ。今後もチャンスをモノにできれば、『アバター』のサム・ワーシントンのように飛躍できると思う。
クレアを、ブライス・ダラス・ハワード。『スパイダーマン3』のグウェン・ステイシー、『ターミネーター4』のケイト・コナーなどで観ているが、今作はクリス・プラットと同等かあるいはそれ以上に目立っている。姉の子を預かるもパーク運営に忙しく秘書に預けたり、かつては付き合っていたオーウェンとも、危機回避のために行動を共にしたりするなど、ビジネスウーマンと女性としてのあり方の間で揺れるさまは、一般社会と何ら変わらない。
ザックとグレイの年の離れた兄弟が、極限状態において絆を確かめ合うようにもなっていて、興味深い。恐竜好きのグレイ、対して恐竜にあまり興味もなく、あまりグレイの相手をしないザック。兄のザックは、常にグレイを励まし、あきらめない姿勢を貫く。グレイの恐竜知識も、活かされている。『1』での、ハモンドの孫の姉弟を思い出す。
人間ドラマあり、人間が生物を生み出すことの技術の進歩とそれにつきまとう恐怖あり、もちろんハイスペックな映像あり、と、大ヒットして当然の出来。暮れに公開を控えている『スター・ウォーズ エピソード7』と並び、2015年を代表する作品になると思われる。
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