ナイトクローラー(ネタバレあり)
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最終更新日:2023/08/26
サスペンス
鉄を盗んで売っているルー。あるとき自動車事故に出くわすが、現場を撮影するカメラマンを見て触発され、カメラと無線機を買って自分も事故現場を撮影しローカル局に売る。ルーの行動は次第にエスカレートし、遺体を動かしたり、同業者の車に細工をして事故を起こさせる。
高級住宅街で起こった殺人事件現場に、警察よりも早く到着したルー。逃走する犯人とその車、殺害されたばかりの被害者などを撮影する。犯人にかかるところは隠し、局には、高額と自分の会社名を入れることを条件に売る。視聴率がほしく、また自身の局との契約期間満了間近なディレクターのニーナは、周囲の反対を押しきって放送する。更に、ルーは犯人を尾行した後、警察に通報して銃撃戦になるよう仕向け、カメラを構えて待つ。
主人公ルーは、モラルを失い行動が過激になっていくが、自身はいつも冷ややかだ(一度だけ感情を爆発させ、鏡を叩き割るシーンがある)。細身で身体的に恵まれているわけでもなく、自らは暴力を誇示するなどということはない。しかし、イッた目つきで理屈っぽいさまは、逆に怖い。
まだ公開したばかりなのであまり書けないが、ラストにも驚かされる。こんなやつはいつか自滅するか足元をすくわれるかするはずだと思いながら見ていたのだが・・・。見終わった直後も、そして今も、とてつもなく後味が悪い。『ゴーン・ガール』の比ではない。
ルーにジェイク・ギレンホール。ワタシが観たことがあるのは『ミッション:8ミニッツ』くらいで、特殊な状況に置かれていながらも周囲と心を通わせようとしていた。しかし今回は、誰も信じず、遺体や殺人犯にも動じず、成り上がることだけに邁進している。役のために9キロ減量したそうで、病的なイメージがあるのはそのためか。
ニーナはレネ・ルッソ。『リーサル・ウェポン3』『シークレット・サービス』などでの、美人女優のイメージが強かったのが、ここでは暴走する熟女になっている。この作品の監督の奥さんだそうだ。
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